2018年05月17日

浅田裁判控訴の不承認を求める討論

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5月臨時議会で浅田裁判の地裁判決を不服とした市の控訴を承認する案件が出ました。始めの質疑に竹永市議が立ち、保健福祉委員会では田中市議が議論しました。採決前の討論で竹永市議と私が、不承認にすべきとうったえました。
残念ながら自民党と創政会の一部の賛成で承認されてしまいました。
以下は私の討論の原稿です。


日本共産党岡山市議団の東つよしです。会派を代表して、委員長報告に反対し、承第4号"専決処分の承認について"は、不承認とすべきと討論に立たせていただきます。
本件は、障害者の浅田達雄さんが岡山市を提訴し勝訴したことに対し、岡山市が控訴した専決処分についてです。岡山市は控訴を取り下げ、判決を受け入れることを求めます。

岡山市は65歳になった浅田さんに対し、「介護保険を申請しなかった」まさにそれだけの理由で、それまでうけていた自立支援給付(障害福祉サービス)の全てを取り上げてしまいました。浅田さんは区分6という介護度5に相当する障害で、サービスの停止は死に直結する、岡山市による生存権の否定です。浅田さんはこの生存権を守るために裁判を起こし、勝利をしたのです。議会がこの控訴を認めることは、全サービス停止が岡山市の正しい対応だと認めることです。委員会では、自立支援法7条の解釈の違いについて控訴審で争うと当局は答弁しました。しかし裁判で第一に争われたのは、命を脅す全サービス停止を行政がやってもよいのかということです。障害者の命の叫びが分からない市に裁判を争う資格はありません。

全てのサービスが止められた一ヵ月半、浅田さんの命を支えたのは献身的なボランティアでした。それでも市はいまだに全てのサービス取り上げに何の反省ない上に、もうやらないと明言することもできません。市の責任は重いと言わねばなりません。

自立支援法7条は、介護保険優先を定めているだけなのです。介護保険を申請しないと言う事態を想定していない法律なので、そのような時にも個別の事情に応じて介護保険優先の説明を続けるべきと指導しています。それまでのサービスをゼロにすることは一切示されていません。想定外だからと言って、一人の人間の命をうばう処分を下したことが違法だという判決です。7条の解釈については、市も判決もほぼ同じなのではないでしょうか。改めて控訴する必要がないとうったえます。

岡山市は65歳になったら介護保険の利用を優先するという介護保険優先原則を出してきます。住民税非課税で障害福祉サービスを無償で受けていた浅田さんにとって、介護保険の月1万5千円の利用料は厳しい負担増です。
 委員会では、経済的困窮が介護保険申請をしない理由になると言う判決を不服とするという答弁がありました。9割の障害者が非課税世帯であるから、介護保険を申請しない人が続出するかもしれないと言う理論です。しかし今回の判決は浅田さんの場合自己負担が重く介護保険を申請しない理由になるとしたもので、浅田さんが何の理由もなく介護保険を申請しなかったのではなく、浅田さんには理由があったということを認めたにすぎません。本人が納得するまで説得をするべきであったというのが判決内容です。また、自己負担については4月から国の制度でこの1万5千円の負担もなくなりました。裁判が国を動かした結果であり、市が争う理由はなくなっていると指摘します。

介護保険サービスは時間も人もこま切れであり、障害者その方を総体的に見る障害福祉サービスの代わりになるものではありません。介護保険優先原則は障害者の権利を守ることができない制度だと言わねばなりません。
これについては国自身が、介護保険が障害福祉サービスと代替できるかは一概に判断するのは難しいと認めた上で、一律の介護保険優先はしないと通知しています。また障害者本人ときちんと話をするともしています。市はこれら国の示した対応をとらずに浅田さんから全てのサービスをとりあげたのです。委員会で自立支援法第7条の解釈が自治体によって違うことがあっていいのかという意見がありましたが、介護保険優先の言葉のみを振り回し、国のルールまで逸脱したのが実態です。
その後、介護保険で足りない分を出す「上乗せ」や、介護保険のメニューにないサービスを認める「横だし」を市は認めるようになりました。広島市は介護保険を申請しなかった65歳の障害者に初めから「上乗せ」「横だし」計およそ600時間を出しました。岡山市の対応は他市と比べても異様に貧しいものです。

議会では2014年6月議会で陳情「介護保険対象者の障害者総合支援法の福祉サービス上乗せ条件の撤廃について」が採択されました。障害福祉サービスの「上乗せ」に市が要介護5を条件にしていたのを撤廃せよという内容です。市が浅田さんからサービスを取り上げる理由に、介護度が出ないかぎり全体のサービス量が分からないからという言い分が、実態に合わないことを示すことになりました。今議会でも、障害者の生存権を守る立場に立ち、市の控訴を不承認とされることをよびかけます。

本裁判は多くの人が控訴するなと訴える中で市が専決で控訴しました。専決の前に議会を招集し、対応を決めるべきではないでしょうか。市の生存権への扱い、そして住民の代表である議会の扱いが軽いのではないか。指摘をするものです。

 最後に、みなさんの賛同を求めて討論とします。ありがとうございました。
posted by 東 つよし at 19:24| Comment(0) | 岡山市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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