2014年06月16日

ペット霊園のルール化へ

situmon140616.jpg
私の6月議会質問で、市長がペット霊園の設置についてルール化をすすめると答弁しました。南区築港新町で持ち上がった火葬場を含むペット霊園建設の動き。住民の反対運動で撤回させましたが、市が設置基準を持っていないことが問題になっていました。私が条例などでルール化することを求めたところ、市長が立ち「ルール化が必要と考えており、調査研究を進めたい」と答弁しました。対象は火葬炉だけでなく、納骨、埋葬も含むものです。許可基準か届出基準かは検討課題です。住民の運動が市を動かしました。傍聴に来た地元の方は大変喜んでいました。
 この他、学校給食の地産地消について、女性農業委員の登用で前進があり、いっそう推進すること、無料低額診療について市HP掲載も含めて広報を検討するなどの答弁がありました。

 反省点としては、最初の市長の答弁が良いものだったので、その後の追及が浮足立ってしまったことがあります。以下、質問本文を掲載します。

1、食育と地産地消について
 いきなり私の妻の話で恐縮なのですが、結婚する前は中学校の講師をしておりました。3年よその県で教え、その後岡山市内の学校に移ってきたのですが、「給食がおいしい」としきりに言っておりました。よそと食べ比べての話なので確かだと思います。岡山市の学校給食はおいしい。魅力をのばして食育をすすめていただきたいと思います。
 魅力の一つは地産地消です。地元産の新鮮な食材は子どもを変えます。ふつう店頭に並ぶミニトマトは収穫後何日も経って食卓に並ぶものですが、給食に地場産のとれたてを出すようにしたら、それまで嫌いだった子どもが食べるようになったという話を聞きました。カギは各校に配置されている栄養士さんです。地元の農家と交渉し食材を確保する、1年間同じメニューを使わず違う献立を考える、調理師さんと協力しあっておいしい給食に仕上げる、また子ども一人ひとりの状況をつかんでアトピーやアレルギーへの対応を親御さんと相談してすすめることもしています。資格に「栄養士」とあるだけではこなせない、高度な専門性と独自のノウハウが必要な仕事です。今年から、新たに雇った臨時栄養士に退職者がサポートにつくようになったということです。この点だけ見ても一朝一夕ではできないことが明らかなわけですが、せっかく鍛えても、臨時であれば2年で雇い止めです。あまりにももったいないのではないでしょうか。そもそも臨時栄養士は正規を雇うまでの間という扱いだと認識しています。また正規栄養士の中にはあと数年で定年を迎える人が多いと聞きます。子どもの命と健康を預かるという専門性を見るならば、正規採用を急ぎ、専門性を受け継げるようにするときではないでしょうか。
 3年後には県費で雇われている栄養士さんが市に移ります。ここでは県の臨時栄養士も市にうつると考えられますが、期間の定めのない雇用です。2年の年限があるうえに給料も非常に低い市の臨時を残していては同じ仕事でも条件が違ういびつさが広がり、モチベーションにも影響すると考えます。
 
 市の食育推進計画では、平成34年度への目標を決めています。小学生の朝食を毎日食べる児童を23年度86.8%を100%に、同じく中学生は74.8%を100%に上げるなど意欲的な目標を立てています。しかし「学校給食に県内地場産物を使用する割合を増やす」という項目は現状40.2%で目標は40%以上で、0.2%後退させても目標達成です。計画で初めから目標達成している項目はこれだけです。後退しても達成できる目標を立てるということはいかがなものでしょうか。地元農家からの食材の調達は大きさや量、会計まで手が取られる要素が多く、維持するだけでも大変だと思いますが、例えば5割を目指すことができないかと思います。農業委員会や農業団体、栄養士などが市内全体での地場産消費をどう増やすか考える場を作り、地産地消を行うノウハウ作りが必要ではないでしょうか。
 学校給食に民間委託が加わり、以前は直営5割・民間5割となっていましたが、今や直営4割・民間6割となってしまっています。しかし直営には、例えば災害時の炊き出しなど、民間委託ではまねのできない役割が果たせます。栄養士が、直接調理員に業務指導を行い、意思疎通できるという利点があります。委託業者が変わって現場が混乱することもありません。コストを問題にするなら、給食調理業務の一部パート化で直営のままでコスト削減ができることを日本共産党市議団として提案しているところです。民間委託と直営について議論する際、災害に強く安全でおいしい給食を供給できる直営独自の意義を見据える必要があると考えます。

質問@:正規栄養士の採用を行うべきと考えますがいかがですか。職員採用の中で栄養士はどう位置づけられ、採用計画はどうなっているでしょうか。
質問A:数年で多くの正規栄養士が定年を迎えると聞きます。蓄積された専門性を受け継ぐ計画があるでしょうか。
質問B:栄養士の全校配置の意義は何でしょうか。今後も維持するべきと考えますがいかがでしょうか。
質問C:学校給食の地場産物の目標が食育推進計画策定の現状より低いのはなぜですか。
質問D:地場産物の目標の引き上げを図ることは考えられませんか。
質問E:地場産物の消費を増やすため、全市的な観点でさらなる農業委員会の努力や農業団体への働きかけが必要と考えますがいかがでしょうか。
質問F:直営の学校給食の位置づけは何ですか。直営にしか果たせない役割があるならきちんと位置づけて守るべきと考えますがいかがですか。
質問G:民間6割・直営4割にする際、民間5割・直営5割でどうだったかの検証はされたのでしょうか。


2、無料低額診療の普及について
 みなさん、無料低額診療という制度があることをご存知でしょうか。収入の少ない方を対象に医療費を安いか、無料で受けられるもので、岡山市内では7病院7診療所で受けることができます。収入は生活保護基準1.1倍など、病院ごとに決めています。4月から消費税は上がる、年金は下がる、70歳からの医療費は1割が2割になる…と負担増のオンパレードです。最後のセーフティネットであるはずの生活保護も減額された上に受けにくくなっています。病院に行くのをがまんする受診抑制が生まれてしまいますが、国民健康保険法44条の一部負担金の減免はほとんど受けられません。お金のあるなしで命の重さが計られる社会でいいのでしょうか。
 無料低額診療は命を救います。ある一人暮らしの66歳の女性の方は、乳がんが見つかって治療したのですが、その後の検診を控えていました。一回1万もかかるMRIなどの出費が、月8万円の年金からはとても出せなかったのです。「お金が心配だから痛くなるまでガマン」と、再発しても死ぬのを待つしかない状況でしたが、新聞で無料低額診療を知り、現在がんが見つかっても放射線や抗がん剤の治療を受けることができています。無料低額診療があったからこそ救えた命です。
 全国を渡り歩き住民票がどこにあるのかわからないホームレスの方や、国保に入れない外国人旅行者が突然のケガで治療を受けるのにも無料低額診療は役立っています。PRを行い、必要な方に利用されることが求められます。
 
 無料低額診療を実施する病院が増えることは重要なことだと考えます。ただ問題もあります。法人によっては税制優遇がある一方、特典がなく持ち出しになるところもあるのです。また実施したいと病院が手を上げようにも、基準がいろいろあります。院所ごとでなく、法人ごとに認めるようにすればさらに広がるものと考えます。
 岡山市は新市民病院の建設をすすめていますが、新市民病院にあたっては、無料低額診療を行えるようにしてほしいという質問について、行わないという答弁が続いています。市民の健康を守るという立場に立つならやはりお金がなければ相手にしないという考えは成り立たないと思います。無料低額診療の検討を求めます。

 薬代については、院内処方している病院では無料になっていますが、調剤薬局で院外処方しているところは薬代を払わなくてはなりません。無料低額診療といいつつ、対象は診察だけとなるのです。治療は薬を飲まなくては完結しません。調剤薬局の中には無料低額診療を受けている患者さんには、身銭を切って無料にしているところがあります。私が聞いた事業所では年に120万円ほど持ち出していますが、それでも無料低額診療の精神を守るんだと続けています。こんななか無料低額診療の薬代を補助している自治体が出てきています。現在高知市、旭川市、青森市、そして4月から苫小牧市と広がっています。院外処方について、岡山市でも薬代の補助を求めます。
 無料低額診療にとどまらず安価なジェネリック医薬品の存在は重要ですが、今、薬代の高騰を招きかねない国際交渉が進められています。TPP環太平洋連携協定です。日本医師会は昨年「日本のTPP交渉参加に関する意見」というものを発表しています。ここではアメリカが日本に要求している「新薬創出加算の恒久化,市場拡大再算定ルール」などの項目を挙げて「医薬品が高騰することから反対である」と述べています。ジェネリック医薬品が出回りにくくなることは、アメリカなどの製薬企業のもうけを増やしても、市民の健康や岡山市の医療保険財政を脅かすものにしかならないと考えます。持ち出ししている薬局などはつぶれてしまいます。TPPでは保険のきかない医療、混合診療が狙われてもいます。日本医師会はここでも「所得の多寡によって受けられる医療に格差が生じるので、反対である」と述べています。
 TPPについては4月末の日米首脳会談で、「前進する道筋を特定した」との共同声明が出され、一部報道では農産物5項目と自動車の「全ての項目で合意した」とし、現在38・5%の牛肉の関税は10年程度で9%に、豚肉はキロ最大482円の税を15年程度で50円に下げることといっています。先の質問で地産地消の推進を求めましたが、日本の食と農、そして健康までも売り渡すTPPに、地方から撤退すべしの声をあげるときではないでしょうか。

質問@:無料低額診療のPRに市としてどうとりくんでいるでしょうか。PRをもっと広げられないでしょうか。
質問A:無料低額診療にとりくむ病院をふやす努力はされているでしょうか。どの病院でも取り組みやすいよう、国にメリットの拡大は求められないでしょうか。
質問B:新市民病院で無料低額診療が実施できないでしょうか。お金がない人でもかかりやすい何らかの施策は考えないでしょうか。
質問C:無料低額診療を行う病院は法人毎に認めることができないでしょうか。
質問D:薬代の補助はできないでしょうか。どれだけの額が必要になるか調査を行わないでしょうか。
質問E:TPPについての影響がどうなるか、あるいは進捗状況など国から何らかの情報提供があるでしょうか。市から情報を求める考えがないでしょうか。
質問F:経済面だけでなく、医療福祉の側面からもTPPの弊害を直視し、参加反対の声を上げる時ではないでしょうか。


3、ペット霊園設置のルールについて
 4月末、市街地のど真ん中にペットの火葬場を含むペット霊園の計画が持ち上がりました。場所は南区築港新町、南輝小学校100メートル余り北東の位置です。
 工事予定のたった一週間前、業者は隣接する二軒にだけ「来週からペット霊園の工事をはじめる」とあいさつに来ましたが、火葬場を作るという説明は行いませんでした。不安に思った住民が調べてみたら、火葬場も作られることが分かり、驚いた町内会など地元住民が説明会を求め、業者に工事延期を約束させました。その後ただちに地元住民が反対する住民の会をつくり、看板を立てるなどの運動を広げました。署名も取り組まれました。この運動の中で、業者はペット霊園の計画を撤回することになりました。いち早くノーの声を広げたことが、計画ストップの何よりの力だったと思います。
 住民のみなさんが大変な苦労を払うことになった原因には、ペットの火葬場設置について住民合意などの基準がないことがあります。国がペットの遺体は廃棄物でないと通知をしましたが、ではどう扱えばいいのか何も示していないのです。業者があくまで住民を無視し火葬場建設を強行したとしても、それこそどうしようもない悪臭が実際に出た後でない限り行政が手を打つことはできないというのです。住民の方からは「どんなに反対しても止められないかもしれない」という思いを聞くことがありました。平穏な住宅地での生活が突然脅かされかねないという事実に市は思いをいたし、住民が反対できる拠り所として使えるペット火葬場や葬祭場の設置基準を決める時ではないでしょうか。火葬炉や業として納骨施設、墓地をもうけるものに一定の規制が必要だと考えます。
 早島町や津山市はペット霊園の設置基準を条例などで定めています。周辺住民に説明し合意を求めることや、良好な環境を整えること、火葬炉の構造を臭いの出にくいものにすることなどです。これらは過去にペット霊園の計画が持ち上がり、住民の反対運動があったことをうけて、行政が「何とかしないと」とルールを決めた経緯があると仄聞しています。全国的に見ても条例などを整備している自治体が増え、官庁速報によると6月議会に大分県佐伯市が許可制の条例案を提案、京都市も来年の2月議会提出を目指して検討を始めるということです。地方で起こった問題を地方で解決するという岡山市でも学ぶべき流れだと思います。

 5月30日に地元の方々が「ペット火葬炉の条例要望」を7317筆の署名とともに橋本副市長に渡しました。礒谷市議、福吉市議、川本市議に加えて私も同行させていただきましたが、副市長のお答えは「オールジャパンで取り組まなくてはいけない」というものでした。確かに国が無策であってはならないと思います。ただ、大手企業がペットの葬祭業を全国展開しようとしていると聞きます。一地域の特殊な事例ではなく、今後も市内で次々起こりうることです。市としてできることは先延ばしにせず、業者が出店をとりやめたという時機を逃さずただちにとりくむことが必要です。
 いまペットが大事な家族の一員として扱われるようになってきています。火葬などのお別れの環境は周辺住民とトラブルがあろうとルールなし、ということでは住民にとってもペット愛好家にとっても不幸なことです。周辺住民と調和できる形で市が条件を整備することが必要だと考えます。

質問@:岡山市内でペットが火葬できる公的な施設はどれだけあるでしょうか。
質問A:国や県からペット霊園、または移動火葬車について、ありかたや基準について何か示されているでしょうか。
質問B:岡山市にペット霊園について基準がないことをどう認識しておられるでしょうか。
質問C:住民合意どころか説明すらないペット霊園設置について、市としてダメだと言えるようにしないでしょうか。
質問D:臭いの出にくい火葬炉の構造、周辺環境を悪化させない霊園の基準が必要ではないでしょうか。
質問E:早期にペット葬祭場の基準を条例化する必要があると考えますがいかがでしょうか。
posted by 東 つよし at 23:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 岡山市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ペット霊園の基準がない以上は、「産業廃棄物」として(家畜の死体処理は産業廃棄物のはず)
扱うべきでしょう。
食肉用の動物とペット用の動物で、周囲に与える影響は変わらない。
(人間の遺体だって、同じですが、下手な焼き方をすればダイオキシンが発生する。)

ペットといっても、犬や猫に限らず、鳥や亀や魚類まで。

家族として扱いたければ、家族の墓地に納骨したってよさそうに思いますが、
市営墓地は「人骨」だけなんでしょうね。


Posted by 葬祭総裁? at 2014年07月20日 19:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック