2012年09月20日

はじめての一問一答

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個人質問でした。今回から希望する議員が一問一答形式が選べるようになったので挑戦しました。

一問一答は質問に対しての答えがすぐ返ってくるので聞く人にはわかりやすいです。一方、質問者には時間配分が難しいことがあります。また質問の角度を変えて聞いても答弁の中身自体はなかなか変わらなかった気がします。
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 写真は一問一答用の仮演台で質問しているところです。

 今回の質問では、中央防災会議の中間報告が出ましたが、市が防災計画でいつどうするかを市民に知らせてはと提案しました。議会答弁では、来年2月に県が被害想定をまとめた後おおむね3ヶ月で防災計画を作るということでしたが、市民へのスケジュールの周知は検討事項とのことです。昨年の防災会議で今年度中に行うと示された小学校区ごとの説明会やハザードマップの作成は、5月を過ぎることになりそうです。なお県はスケジュールについてHP上で、来年2月を目途に津波浸水予測図や液状化危険度分布図を作成すると明らかにしています。
 環境問題では再生可能エネルギーでコストパフォーマンスに優れた小水力発電について、今まで権利関係の難しさで手がつけられていないので、規制のあり方を実態に合わせたものにすることを求めました。流れる水で水車を回しても水は減らないので水利権の侵害にはつながりません。これは内閣で閣議決定されているので岡山市として強く求めることを提案しました。
 また昨年台風12号に襲われた後の9月議会質問で私は浸水世帯に見舞金を出せないかと提案しましたが、今議会で床上浸水に一世帯1万5千円出すと要綱の改正が示されました。一歩前進です。


当局に出した質問原稿を以下にあげておきます。

1、防災問題について
(1)防災会議条例改正について
 9月議会に防災会議条例と災害対策本部条例の改正案が提案されています。有識者や市民、関係者が入り、地域の防災に関する重要事項を審議する防災会議。いざ災害が起こったら、市長を本部長とし市の幹部が結集して情報収集と即座の判断を下す災害対策本部。今回の改正案で位置づけが明確になったのは有意義だと思います。同時によく分からないところもあります。防災会議条例案では、第2条2項で「市長の諮問に応じて市の地域に係る防災に関する重要事項を審議すること」とあり、3項で「前号の重要事項に関し、市長に意見を述べること」と規定されています。ただ第3条を見ると2項で防災会議の「会長は、市長をもって充てる」と規定されています。「市長が、市長をトップにした会議に諮問し、その市長が市長に答申する」ことを意味しますがこれは不自然ではないかと思います。ここは市長がメンバーに入らない会議に諮問を出すか、諮問でなく市長自ら検討し結論を出す会議にしてはどうでしょうか。

 質問@:災害対策本部において、本部長として市長の果たす役割はなにでしょうか。
 質問A:防災会議条例案は、市長の防災の責任をより明確にする視点で条文案の修正が必要ではないでしょうか。

(2)南海トラフ地震について
 ア、中央防災会議と市の防災計画の見直しについて
 中央防災会議では、南海トラフの地震が発生した際、震度は6強、津波は3メートルという予測がでました。死者は岡山県で1200人という数字がでています。中央防災会議はしっかり備えれば被害は抑えられると指摘しているわけですからこれはぜひやりたい、と思います。自助共助公助という言葉がありますが、自助の喚起も市のプレイにかかっていると考えます。被害予測の数の大きさの重みを当局、市民のみなさんと共にうけとめ、市民の不安に応え、対策を考えたいと思います。
 中央防災会議の中間報告は住民に衝撃をもって受け止められていると感じます。先日聞いた話ですが、ある寄り合いで津波が来たらどうなるか話になり、「避難所は学校だが、津波のこない3階にはみんな入りきらん。年寄りから蹴りだすしかないか」という声まで出たということです。台風12号から1年、東日本大震災から1年半、そして南海トラフの被害予測が出て来ましたが、市の取り組み状況が目に見えるようになっていないから出てくる不安だと思います。倉敷市は浸水想定域の見直しに伴い洪水ハザードマップを、8年前の高潮被害地域や土砂崩れの危険区域もつけて広報に折り込み、市民に配っています。何らかの動きを示す上では意義のあることだと思います。
 市の防災会議のスケジュールは昨年11月30日の平成23年度岡山市防災会議では、国の中央防災会議の動向を注視するとともに、ハザードマップの作成を10月末までに、学区説明会を11月から3月まで行うことが示されました。ただ、今議会では市の防災計画は来年2月の県の計画の後になるという答弁でした。

 質問@:中央防災会議の被害推計では堤防が機能する場合と地震動により機能しなくなる場合の両方の推計がありますが、実際堤防は耐えられるのでしょうか。現状で高さ、強度を満たしていないところがあるのでしょうか。
 質問A:避難所の指定や、今年度予算に計上されているハザードマップの作成、学区説明会のスケジュールに変化はあるでしょうか。大体の時期が示せないでしょうか。
 質問B:防災対策の進捗状況を市民に広報する必要があると考えますがいかがでしょうか。
 質問C:地震は揺れの長さによって被害が大きくなり、柔らかい地層の厚い岡山ではより揺れやすくなると専門調査会の西村教授が指摘しています。揺れの長さについて被害予測や住民への周知に反映されるでしょうか。

イ、耐震化等の補助について
 木造住宅の耐震診断と耐震補強計画は定員を上回り、大変市民に求められる政策だと思います。拡充するかどうか検討されるとのことですのでよろしくお願いします。同時に実際の耐震工事はそれほど数は増えていません。住宅倒壊を防ぐためには実際の耐震化工事が必要だと考えます。費用面での問題が挙げられていましたが、自治体によってはより安価な耐震シェルターという一部屋や、ベットに補強した屋根をつける方法に補助をつけています。

 質問@:今年度耐震診断、耐震補強計画は定数を超えたということですが、どれだけの需要があるのかつかんでいるでしょうか。
 質問A:耐震補強では、家全体の補強だけでなく、一部屋や寝床だけの耐震化も推進するメニューに加えてはどうでしょうか。
 質問B:窓ガラス飛散防止フィルムや、照明落下防止にも補助を考えられないでしょうか。

(3)浸水対策について
 今回、床上浸水に一世帯1万5千円、寮などの準世帯は一人5000円という要綱の改正が示されました。私は昨年の9月議会で浸水世帯への見舞金が出ないか質問させていただきましたが、とても前向きな決断だと思っております。倉敷市は床上浸水が3万円ですので、額については他都市の実態も見ながら今後もご検討いただけたらと思います。
 市の洪水ハザードマップは、今は川の堤防が壊れた場合のものになっていますが、より身近な水の災害は、降った雨があふれて水に浸かる内水被害です。現在雨水排水について関係各局が雨水排水マトリクスを作り鋭意努力をされていることと聞いております。ただ局地的雷雨が相次ぎ9月3日には南区で道路が冠水するといった状況が生まれています。市の雨水対策のご努力をお願いするとともに、市民への注意喚起を呼びかけていただきたいと思います。

 質問@:森田議員の質問では、災害見舞金の対象に、土砂崩れを受けた家は入らないという答弁でしたが、なぜ対象にならないのでしょうか。
 質問A:平成23年台風12号浸水地域のマップ化ができないでしょうか。住民の対策に役立つと考えます。

(4)避難所について
 旭川荘に続いて、ふれあいセンター5ヶ所とウェルポートなださきが福祉避難所として使えるようになりました。病気のある方にとって福祉避難所のあるなしは安心に関わることだと思います。東日本大震災では生き残ってもその後亡くなる震災関連死が多く生まれました。福祉避難所は今後も拡充を進めていただきたいと思います。
 音声による意思そつうが困難な方への携帯電話を使って火災や救急を通報するWeb119番システムが4月から始まりました。救助や避難活動に活用が期待できると思います。

 質問@:福祉避難所の収容可能人数と、今後増やす予定はどれだけでしょうか。
 質問A:Web119番システムの登録数と、今後広げるための考えがあればお願いします。
 質問B:現在、避難所に学校が指定されていますが、これは校舎でなく体育館だけです。津波には校舎への避難が必要だと考えますが、指定はいつになるでしょうか。状況をお聞かせください。

2、環境政策について
(1)二酸化炭素削減のとりくみについて
 岡山市地球温暖化対策実行計画では、温室効果ガスの削減目標を1990年度基準で2015年度の短期目標では2.1%削減、中期目標では2020年度は4.2%、2025年度は6.3%削減と位置づけています。原発ゼロの日本が必要だと考えますが、対案は化石燃料を燃やせばいいと言うものではなく、低炭素社会づくりと一体でなくてはならないと考えます。林じゅん議員の代表質問でもありましたが、高知県の梼原町に行ってまいりました。風力、地中熱、太陽光、小水力発電に太陽熱温水器や木質ペレットといった再生可能エネルギーの活用や徹底した省エネなど、総合的な二酸化炭素削減を、「2050年に二酸化炭素量…吸収量が排出量を大幅に上回る」という大目標を掲げて進めており、学ぶべきことが多いと思います。
 太陽熱温水器の補助金の基準がより使いやすくなったと聞きました。太陽光の40〜50%を熱として利用でき、既存の再生可能エネルギー利用機器の中では効率が最も高いので二酸化炭素削減のためには必要なことだと思います。
 岡山市地球温暖化対策実行計画では小水力発電の導入促進があげられています。また県は小水力発電の適地を上げています。しかし3月議会の私の質問では「権利関係の調整が必要になる等の課題があり,現状においてはモデル地域をつくることは難しい」という答弁でした。梼原町の職員さんは、小水力発電が発電では一番効率がいいと話すと同時に、水の権利関係で国相手に苦労をしたことを語っていました。

 質問@:太陽熱温水器の補助金基準がJIS規格またはBL部品認定が必要になっていますが、他の自治体は条件がないところがあります。もう少し緩められないでしょうか。
 質問A:小水力発電の導入促進の計画ですが、状況はいかがでしょうか。権利関係の難しさについて、国に対して水利権の規制のあり方を実態にあわせたものにするよう求めてはどうでしょうか。

(2)空気・水の汚染について
 南区の早島町境には2号線バイパスの南北に最終処分場と、7つの中間処理場が存在しています。ここに近い早島町の若宮団地という高台にある団地で、このところプラスチックやゴムを焼いたような煙が岡山市側からたちこめることがあり、目やのどの痛みを訴える住民が出ています。早島町からの連絡をうけて岡山市職員が駆けつけるものの、相手が煙なので状況の把握に苦労していると聞きます。
 また早島町無津の火事池というため池の水が赤かったり白かったり黒かったりすることが起こっています。岡山から流れてくる水が原因ではと言われます。この問題では、両自治体間で「まちづくり協議会」をもち、県を介さずに市が主体的に関わることができます。

 質問@:早島町から調査の依頼あると聞きますが、どのように対応されていますか。
 質問A:煙の問題は風向きによっては岡山市民にも影響がでます。継続的な調査が要ると考えますがいかがでしょうか。

(3)地域ねこについて
 生活環境という点で地域ねこについて質問させていただきます。野良ねこに去勢手術をして地域で数を減らしていく地域ねこ活動に市が補助を出すようになったことは有意義なことだと思います。モデル地区として始まった二地域で成果をあげ、本格導入を検討していただきたいと思います。

 質問@:所有者のいないねこについて、市はどう考えるか、見解を教えてください。
 質問A:導入してまだ日が経っていませんが、事業の現状認識があれば教えてください。また何をもって事業を評価するでしょうか。
 質問B:今回モデル地区に選ばれたところの理由はなんでしょうか。



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posted by 東 つよし at 16:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 岡山市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 中央防災会議はしっかり備えれば被害は抑えられると指摘しているわけですからこれはぜひやりたい、と思います。

日本共産党を支持する人の中には、公共工事「絶滅」論(笑)みたいな意見の人も僅かにいるようですが、基本を押さえられていたので安心しました。

水門が機能しないと、死者が一桁増えるそうです。
まずは、既存の設備の点検と(補強を考え無駄を抑えた)整備を徹底してもらいたいと思います。
必ずしも、予測された最大のものが来るとは限りません。下回る可能性の方が高いかもしれません。

計画的に、整備して行ってもらいたいです。
中小企業者に行き渡るような公共事業が減っているので、そちらへの配慮もすべきだと思います。

整備の進捗状況に応じて、避難などの行動計画も相応させて行くべきであり、広報でそれを確り知らせるべきです。

岡山市の市議会の質問時間がどれくらいなのか分かりませんが、分かり易く理詰めで感心させられました。
岡山だけでなく隣接する自治体の住民のためにお励みください。よろしくお願いします。
Posted by 名無し at 2012年09月20日 23:57
名無しさん コメントありがとうございます。
水門について、農業用のものについて質問しました。津波には耐えられるが、耐震性はそもそも調査していないとのことです。地元業者に発注する形で進めていきたいです。
独居の高齢者や障害者に災害時用援護者台帳の登録を呼びかけましたが「どうせ助けてくれん」と断ったところがあったと聞きました。行動計画は市が上で勝手に押し付けるものでは力にならないということでしょう。
質問時間は今回は20分。代表質問のないときは30分です。とても時間が足りず苦労しました。
Posted by 東 つよし at 2012年11月02日 16:38
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