2007年07月07日

民主党は憲法を守る?

小沢代表の「9条の改正は必要ない」「集団的自衛権は認められない」との発言で、「憲法を守るのは民主党」という話が出ているようです。
6月24日の「サンデープロジェクト」での言葉だそうです。

 過去の戦争を正しかったといい、憲法を変えようとする人たちは「靖国派」と呼ばれています。この人たちは自民党の中だけでなく民主党にも少なからずいて、戦争美化や改憲で動いていることを、しっかり見ないといけないと思います(→リンク)。

 日本青年会議所がつくった「誇り」というアニメDVDが、先の国会で問題になりました。このDVDの視聴が文科省の委託事業になっていて全国の中学生に見せることになっていたのですが、中身が戦争美化だったのです。いち早く広がった世論と運動で、日本青年会議所は委託事業契約を辞退するにいたりました(→リンク)。しかしこの参院選で日本青年会議所の05年の会頭が比例代表で民主党から出てきます。彼はブログで「私は憲法改正論者です」と明言しています。

 5月3日に自民、民主、国民新などの議員が、軍隊をもち集団的自衛権を認める「新憲法大綱案」を発表しました(→リンク)が、この中には7月の参院選に比例代表で出る民主党参院議員の名前があります。しかも「民主党慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会」という団体の一員です。この団体は慰安婦問題について「旧日本軍・政府の関与はなかった」と主張しています。

 参院選で「民主党」と書けば、憲法を変えようとする靖国派の人たちを信任し、国会に戦争美化の考えの持ち込みを許す一票になりかねません。

 小沢代表の発言の解釈はいろいろあると思います。しかし民主党は、改憲派を改憲派と分かっていながら公認しています。また98年の民主党の「基本政策」には「集団的自衛権を行使しないこと」とあるのですが、小沢代表になって作られた「政策マグナカルタ」には「自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず」と、集団的自衛権への含みが入っています。そして小沢氏自身が99年に「兵力の提供をふくむあらゆる手段を通じ、世界平和のため積極的に貢献しなければならない」などの改憲試案を出しています(→改憲試案)。

 自民党は2010年の改憲の発議を公約しています。この選挙で選ばれた議員が改憲発議の賛否を決めます。一方、民主党の選挙公約には憲法の項目がないので、民主党に投票する人は憲法問題でフリーハンドを与えることになります。
 2011年の改憲を目指す安倍自公内閣に対し、改憲派を抱え、あえて憲法で何も公約しなかった民主党に、それでも希望を抱いて投票するのか、それとも憲法を守ると明確に主張している日本共産党を大きくするか。ここに憲法を守る分かれ目があると思います。

 日本共産党は参院で現有9。1議席増で10になれば、現在民主党しかしていない党首討論に参加でき、憲法問題でも何でも首相をただすことができます。また議院運営委員会に委員が出せるので、しばしば自民党と民主党で合意されてきた法案のスピード採決に歯止めがかけられます。そして施政方針演説や決算以外の重要法案で本会議質問ができます。2議席増で議案提案権が手に入り、法案を出せるようになります。

 憲法を守るたしかな勢力が伸びることは、憲法を守る国民多数派作りを大きく励まし、国会で野党が改憲阻止で結束する展望も開くと思います。


↓ブログランキングに反映されます。1日1クリックお願いします!
にほんブログ村 へranQ へ
posted by 東 つよし at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
派閥単位(親分子分?)で離合集散した結果に過ぎないので、、政策を基準にせず、保守派の議員・議員候補が自民党と民主党に分かれています。
安倍首相と河野議長では考えが違いますし、わかりにくいです。
政党として、党首として、政治信条を示してほしいです。

憲法の原則を「替える」(実際には政変や革命でしょう。)のに、何か改良をイメージさせているみたいに感じます。
だましだまし、ずるいです。
元々憲法は国家の構成を決める基本法です。
これに対する態度を基準に政党も整理整頓して、
その上で信を問うて欲しいです。
-----
東京新聞年金問題を問う<上> 『不明5000万件』進まぬ分析今日の読み物(スコープなど)(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2007070802030560.html
によると、「五千万件のうち、百歳以上の記録が百六十二万件を占めるが、日本の百歳以上の人口は約二万五千人。このことからも、死亡者の記録が多数含まれているというのだ。」そうです。
簡単に言えば、踏み倒された人が百歳以上の人だけでも百万人以上いたということです。
作業も進んでいない状態で、いかにも解決できるように嘘をつく自民党・公明党がいます。

これもなし崩しにする積りでしょう。
百年たてばみな死んでしまいます。
嘘つきは退場しろ!
こんな連中が憲法を決めるのかと思うと怪談です。
Posted by 名無し at 2007年07月09日 05:03
名無しさん コメントありがとうございます。
 憲法を変える目的は、安倍首相が「アメリカと肩を並べて海外で武力行使する」といっているとおりです。イラク戦争のようなアメリカの戦争に日本も付き従うために、「戦争しない」と決めた日本の国のかたちをかえてしまうのです。
 自民が2010年改憲発議、2011年改憲を目指す以上、これに対し各党は何らかの態度を示さねばなりませんが、結局民主党はだんまりです。年金問題は重要ですが、憲法で白紙委任を許す理由にはなりません。
Posted by 東 つよし at 2007年07月09日 22:21
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック