2007年06月17日

財界人からの直言


iryouken070717.jpg経済同友会終身幹事の品川正治さんの講演を聞きました。題して「財界人からの直言 21世紀を憲法9条の時代に」
です。
 この3日間倉敷市で行われた第34回医療研究全国集会の公開講座として開かれました。財界人といえば、私たちとは立場が違えば主張も違うものだと思ってしまいがちですが、立場が違っても、きちんと見れば憲法を守るという大きな一致点がそこにあるということを認識させられました。以下、聞いた話の中身を紹介します。違ってたらすいません。

 戦争中、品川さんは中国の北支戦線に行き、終戦後も11月まで重慶からの要請で戦っていたということです。映画「蟻の兵隊」と似た境遇にあったようです。そして武装解除後、「二度と戦争はしない」と同じ部隊の人たちと誓ったそうです。そして日本上陸を待つ復員船の中で、「憲法草案を読んで帰れ」と憲法草案の載った日本の新聞が配られ、憲法9条の1項2項を読んでみな涙したそうです。自分たちが戦争しない決意をしたのにとどまらず、国が戦争しないと宣言することに感動したのです。

 品川さんは「戦争を起こすのも人間、止める努力も人間」と繰り返していました。そして次の世代に戦争を語り継ぐためにどうするか考えたそうです。そして戦争になると、いのちの価値観が否定されて全て戦争に勝つためという考えになる、あらゆる学問まで全てが戦争に動員される、三権分立が否定されて戦争推進が国の中心になる、という3点で明らかにしたそうです。

 戦争に行く前は、戦争でいかに生き、死ぬか考えたそうです。しかし戦場で、戦争は天災でなく、戦争を起こすのも人間、止める努力も人間だと分かったという話でした。そして医療、環境などの問題も人間の努力で解決できるし、解決の努力の先頭に立つのが政治の役割、市場に任せるのは間違いだと続けました。さらに「アメリカと価値観を共有している」という考えが今の間違いを生んでいると言いました。戦争をしている国と、戦争しないと言っている国の価値観が、原爆を落とした国と、落とされた国の価値観は違うのです。このおかげで、昔の日本の経営者は従業員の給料が減るなら自らの給料も返上したのに、今はどれだけリストラして自分の給料を上げるかを考えるようになったと語っていました。

 そして最後に品川さんは、憲法9条が失われたら、9条の精神は世界から消えてなくなる。憲法を変えさせなければ、日本の政策もアメリカの態度も変わらざるをえない、平和は日本国民の手にかかっていると強調しました。
 品川さんは足に戦争で受けた銃弾が残っているそうです。年も82歳で、出てくるときの足どりは少し不安げに見えましたが、話を終えた品川さんは大きく見えました。


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posted by 東 つよし at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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